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クィーンズランドのエコツーリスト調査からみるエコツーリズム事情 |
この調査は、エコツーリズムの理解度と興味度及び参加実態を明らかにし、現状認識を得る目的でツ
ーリズムクィーンズランド(Environmental Tourism Department)が国内の780世帯 を対象に1999年12月に実施したものである。 |
調査から、国内の旅行者の30%近くがエコツーリストであり、70%近くがエコツー リストあるいはその予備軍のカテゴリーに相当することが明らかになった。
特に注目されるのは、1)エコツーリストとは誰なのか、2)どのくらいのエコツ ーリストが存在しているのか、の2点の結果である。
1)についてはこの調査からは、エコツーリストというレッテルで特別に区分けで きる消費者層は存在しないことが示された。消費者はエコツーリズムに興味を持ち、 休暇の過ごし方にエコツーリズム的要素を取り入れている。
2)のエコツーリストの割合については以下の6つの判断基準に基づき回答内容か ら消費者を以下の4つのグループに大別した。
- 休暇を取る時に都会より自然が豊富な場所を選ぶかどうか
- エコツーリズムという言葉を理解しているか、そしてその要素を休暇に反映して いるか
- 自然に対する一般的な態度
- 休暇をどこで過ごすかという選択理由、特に自然と学習という要素が果たす役割 について
- 休暇のためにどの程度の計画をたてるか、及びその情報
- 休暇中に参加するアクティビティーについて
- 1)絶対エコツーリスト”Definites”(27.6%)
上記の6つの基準においてすべてに確かなエコツーリストと定義できるグループ 。他のグループに比べて多少多く休暇を取り、より長時間家から離れて過ごす。本、 ガイドなどの資料を大いに活用して休暇を計画し、自然により接近することや地域に ついて学ぶこと、以前からよく聞いていた場所などで休暇場所を選択している。 休 暇中は、ガイド付きのバードウォッチングやブッシュウォーキング、採掘、クジラや イルカウォッチング、先住民の文化に触れる、動物ウォッチングなどへの参加の度合 いが他のグループより高い。
- 2)たぶんエコツーリスト ”Probables”(29.0%)
自然や学ぶことに対しての潜在的意向はあるが、休暇の計画段階や期待には直接 反映されていないグループ。
- 3)もしかしたらエコツーリスト ”Possibles”(10.2%)
自然をベースにした休暇やアクティビティーを好む傾向にあり、エコツーリズム とは何なのか何となくわかっているが、休暇の動機としては、特に学ぶことやインタ プリテーション(ガイディング)とは関連しないグループ。
- 4)ノンエコツーリスト ”Non-eotourists”(33.2%)
自然や学ぶことにはまったく無頓着でエコツーリズムが何なのかも掴んでいない グループ。
この結果から、ノンエコツーリスト(33.2%)を除く約70%の人々が、興味や経験の差こそあれ、エコツーリストになりうる可能性を有していることが示された(うち 、絶対エコツーリストは約30%)。
ツーリズムクィーズランドはこの調査を海外の観光マーケットと海外からのバック パッカーのマーケットに対しても行ったが、海外サンプルの33%、バックパッカーサ ンプルの55%からも同様の傾向が示されている。
このことは、海外からのマーケットも共にエコツーリズム開発においてかなりのチ ャンスと可能性が存在することを示している。さらにエコツーリズムは、消費者が休 暇を取る理由の中の一つとして存在し、旅行目的地が広範囲な場合やパッケージ旅行 の中でもさまざまスタイルで開発できる余地があることも示唆している。
またこの他に調査で明らかになったことの中から特筆しうるものとして次の点があげられる。
- エコツーリズムを単なる一時の流行と見ているのは1.6%の少数である。
- 51.5%以上が「エコツーリズムは環境に負荷をかけない観光である」と理解して いる。
- 62%の人が訓練されたガイドが同行するツアーに対してより高い金額を払っても いいと思っている。
(なお、ツーリズム・クィーンズランドの調査データは、1999年10月14日からのEAA会議で
のプレゼンテーションとNews Letterから許可を得てまとめたものを利用させていただいた。)
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