沖縄県名護市議会の皆さん 2004年7月22日〜7月23日

日本国内でもエコツーリズム開発に大変積極的な沖縄からまたフレーザー島にエコツーリズムの研修においでいただきました。
今回は名護市の市議会の議員の皆さんです。市政においてもエコツーリズムの果たす役割とその可能性はより大きくなってきているようです。今回は現場で野生動物保護や水問題、ごみ問題、基地の問題など直接環境問題にかかわっていらっしゃる方々に短時間ではありますが、ご視察いただきました。フレーザー島のエコツーリズム開発の歴史とエコリゾートを通じて、地域開発とエコツーリズムの役割について、研修していただき、熱い議論を交わしました。 さらに、2001年に沖縄の北部のやんばる地域の3村の村長さんたちにおいでいただいた際に植樹していただいたサティネーの木がどれほど大きく成長したかも見ていただきました。名護市議会の皆さんのご滞在の様子をご紹介します。


2004年7月22日(木曜日)

何とこの日は朝からざーとスコールのような雨が降り、ご到着の時間にお天気がもつかと心配。 ところが、そんな心配はなんのその、ご到着時間には雨も上がりました。 皆さん方のお天気マジックはご滞在中、随所でこの後発揮されます。何度も雨が降りそうな雲行きがバスを降りたとたんに晴れ渡る、、、、という繰り返しでした。特別な沖縄パワーでしょうか?

リバーヘッズからフェリーで島へ キングフィッシャーベイリゾートに
ご到着
桟橋からシャトルバスで移動

ご到着日は、風が強かったためにサンセットクルーズは残念ながらご参加いただけませんでしたがでもそれがよかったのかもしれません。その時間も含めて長時間にわたってエコツーリズムについてのセミナー、ディスカッションが行われました。 皆さん方のそれぞれの真剣の気持ちが伝わる実りあるディスカッションでした。

既にエコツーリズムについては県をあげて開発がすすんでいる沖縄県。導入時期から成熟時期に入ってさまざまな問題も抱えています。オーストラリアでのエコツーリズム開発の歴史の中にそれらの問題への解決の糸口があるかもしれません。地域の具体的な問題を挙げながらさまざまな角度からエコツーリズムの可能性について議論しました。

エコツーリズムに関してのセミナー 皆さんの表情も真剣そのもの

夕食は地元の食材をふんだんにつかったオーストラリアを感じていただくコースディナーでした。 
ワインが入って調子も絶好調! 何とこの食事の席では、琉歌のご披露もあり大変盛り上がりました。

シーベルレストランで夕食会 宮城議長からのご挨拶

2004年7月23日(金曜日)

さて、朝の集合のときに昨晩作った琉歌をきれいに清書して宮里議員がプレゼントしてくださいました。 素敵なプレゼントに感激です。 またジュゴンの保護活動を沖縄で展開している宮城康博議員は、レンジャーのメルとフレーザー島のジュゴンの頭の骨を見ながらおしゃべり、、、、、。

沖縄の方は、琉歌がお得意。昨晩の夕食の際に作っていただいた素敵な歌を宮里議員からプレゼントしていただきました。

フレーザー島のジュゴンの骨を見ながらレンジャー・メルとおしゃべりする宮城議員

短いご滞在時間ですが、今日は午前中半日をかけて島のみどころを4WDで体験していただきます。
その前にセンターコンプレックスの中で記念撮影。 ここは省エネ対策として、高い天井と蛇腹のガラスの窓の開閉によって室内の空気の対流をはかっているため、エアコンなどを使っていません。 すべて自然の風を利用して夏は涼しく、冬は暖かくすごせるように工夫しているエコリゾート。 そして木材を主体とした明るい空間になっています。 

実はこの時間はまだ外は大雨が降っていたのですが、、、、、。何とこのあとすっかりあがって出発するころには真っ青な空が広がりました。 

リゾートでは、省エネ対策のために高い天井と蛇腹のガラスの開閉で室内の温度を調整しています。
エコリゾートで記念の一枚

1泊2日の限られた時間ではありましたが、フレーザー島の自然を体感していただくために半日のツアーに出発。
最初の目的地はシリカサンドの白とコバルトブルーがあざやかな島イチきれいな湖、マッケンジー湖。
海抜75mほどの高いところに雨水がたまって出来たこの湖では、記念撮影をしないではいられないほどのまぶしい美しい景色が目の前に広がりました。 朝の雨の影響といえば、砂が少し湿っていたことくらいです。

そして、シリカサンドの砂は研磨剤にも使われるほど細かい砂ですから、宝石や金属の時計のベルトなどを傷つけることなく磨くことができます。さっそく思い思いに挑戦してみました。

すばらしく晴れ上がったマッケンジー湖で、、、
白と鮮やかなブルーがきれいに映えていました。
シリカサンドの砂で時計のベルトがきれいになったと大喜びの屋比久議員

次の目的地は、フレーザー島で林業が盛んだったころ、そのベースキャンプにも使われていたセントラルステーション。
実はここには、2001年の2月におなじく沖縄県のやんばる地域から東村、大宜味村、国頭村の3つの村の村長さんにおいでいただき、伐採で切り倒していたサティネーの木を記念に植樹していただきました。その木があれから3年余たってこんなに大きくなったのを皆さんにも確認していただきました。これがその証拠写真。ぜひあの頃ともう一度比べてみてください。

2001年2月に植樹した木がこんなに大きくなりました。
こちらをクリックしてその当時と比べてみてください。


セントラルステーションのもうひとつの魅力は、ワングールバクリーク沿いに広がるレインフォレスト。
この砂地にレインフォレストがあることも世界遺産に登録されたひとつの要因でした。ここには、最近改修されたばかりのボードウォークがあってクリークを眺めながら、レインフォレストの中を歩けます。皆さんにもこのボードウォークを歩いていただきました。

セントラルステーションの新しいボードウォーク

点字用の案内ポールの前でポーズの
平敷議員

地下水層にふんだんな水をたたえるフレーザー島。砂のフィルターをこしてあふれ出る水の水質は最高です。
それを実感しようと、さっそく水で顔を洗ってみました。 水は冷たかったもののPHがほぼ人の体と一緒という水は肌には最高の感触だったはずです。

レインフォレストを抜けると巨木の立ち並ぶパイルバリーへと続きます。ここでは、林業時代にフレーザー島を有名にした海水や虫にも強いサティネーの巨木を見ることができます。 

ワングールバクリークの水は気持ちがいいと屋比久議員

パイルバリーのサティネーの大木の前で、、、、。

セントラルステーションからパイルバリーへのこのウォーキングは、フレーザー島が砂の島であることを一瞬忘れさせてしまうほど、緑濃い森です。 オゾンをいっぱい吸い込んで皆さんの体もまた少し若返ったのでは、、、、、、?
そして歩きながら皆さんの頭をよぎったのは、地元やんばるの森だったのかもしれませんね。

ツアーの最後に皆さんにご覧いただいたのは、エコリゾートとしての環境に対する取り組みです。
まず、台所からでる生ごみやトイレなどからの排水を利用してみみず農園を作り、そこから出来る堆肥土をつかってハーブを作っている工程をご覧いただきました。

ミミズ農園での堆肥土をつくり過程を見学

作った堆肥土はハーブ園や苗園で利用
リゾートの管理部門のマネージャー・ガスと一緒に、、、、。

あっという間の1泊2日間でした。お天気は必要に応じて雨と晴れを調整したような、完璧なツアーでした。 
最後は、沖縄流の別れの踊りと歌でしめくくりました。 次回来るときは携帯三線を持ってくるぞ、、、、と意気も盛ん。 頭にタオルをひねって踊る手つきはさすが、、、、、。 リゾートの桟橋はすっかり花道となりました。

ご出発前の食事、サンドバーにて

沖縄の民謡と踊りで島への別れの挨拶
屋比久議員と平敷議員

最後のショットは、カタマランに乗り込む前の桟橋で、、、、、。わずかなご滞在ではありましたが、ご満足のゆく思い出に残るものであればと願っております。

リゾートのオペレーションマネージャー・ブレンドンと
フレーザー島をバックに最後の
記念撮影

沖縄県からだけでも既に数回、エコツーリズムのご視察でフレーザー島においでいただいています。
エコツーリズムの先進事例としてのフレーザー島での取り組みを皆さんが実際に体験しながら、それぞれのお立場で地域に還元しようと真剣に考えていらっしゃるからだと思います。
日本の中ではエコツーリズムの先進地としてその自然と文化の豊かさからも注目されている沖縄。 エコツーリズムの導入から時を経て、その実践時期にあってさまざまな問題も出てきていると聞いています。 それらを克服するためにも、行政にかかわる皆さんの新しい視野と努力が求められています。 沖縄が沖縄らしくあるためには、沖縄独特の資源を持続的に活用する方法が必至です。そのためにもエコツーリズムの開発は大事な選択肢となっています。 このエコツーリズムのしくみがきちんと機能するために今求められているのは、ネットワーキング! それぞれの役割を理解して存分にその役割を果たす組織づくりが必要なときが来ているのかもしれません。

今回の研修が、今後の沖縄での様々な取り組みに少しでもお役にたてばと願いつつ、、、、、。
お疲れ様でした。

 

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